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シネマとライブと雑多な日々

映画やライブを見て感じたこと、考えたことを気ままに綴ります。

♯今日の1本 チェ・ゲバラの若き日の旅を描いた『モーターサイクル・ダイアリーズ』

アメリカのオバマ大統領がキューバを訪問するという歴史的なニュースに接し、2004年に公開された、この映画のことを思い出した。

オバマ米大統領、歴史的なキューバ訪問開始 - BBCニュース

 

今から65年ほど前、アルゼンチンに実在した23歳の医学生・エルネストとその先輩・アルベルト。

2人の青年がおんぼろバイクで南米大陸を旅するこの映画は、ロードムービーであり、冒険物語であり、青年たちの成長物語でもある。

そしてまた、観客にとっては普段あまり知ることのない南米大陸の自然、そこに住む人々、ラテン・アメリカの社会的・政治的現実に、否応無しにふれることになる、一粒で二度も三度もおいしい味わい深い作品だ。

2人の旅は、アルゼンチンのブエノスアイレスから始まる。隣国チリの海岸線を走り、ペルーのクスコやマチュピチュ遺跡を抜け、アマゾン川を下り、奥地にあるハンセン病療養所へと、全行程1万キロ以上の道のりである。

エルネストは、若き日のチェ・ゲバラキューバ革命の英雄である。

この映画を見ることで、チェ・ゲバラへの興味はすごくかきたてられるが、それは若き日の彼に革命家の片鱗があまり見えないからでもある。

ゲバラを演じるガエル・ガルシア・ベルナルは、哀愁を帯びたまなざしが似ているぐらいで、写真で見て知っていたゲバラよりずっと、きゃしゃな印象だ。

映画にも描かれているが、実際のゲバラは、幼い頃からぜんそくに悩まされていたそうである。その発作シーンは見ているこちらが息苦しくなるほどで、自分のことだけで精一杯のはずなのに、なぜ革命家への道を選んだのだろうと思わされる。それほど、画面のゲバラははかなげでもある。

一方でスポーツを愛し、たいへんな読書家で、ダンスが下手でと、とっても人間味あふれる人物だったらしく、それもきちんと映像化されている。

人よりちょっとばかし正義感のある青年が、1万キロに及ぶ旅の中で、知らなかった現実を見て、それをきっかけに自分の中の何かが変わるのを感じた…。

この映画はそれを、淡々とした中にも説得力をもって描き出している。

映画は、ゲバラ自身が書いた「チェ・ゲバラ モーターサイクル南米旅行日記」などを原作にしている。かねてから企画を温めていたというロバート・レッドフォードが製作総指揮を務め、監督は、『セントラル・ステーション』で一躍有名になったブラジル人のウォルター・サレス。

世界各地でさまざまな紛争や内戦、テロが起きている今、もう一度この映画を観たらどんな感想がわくのだろうか。いろいろなところに考えがいって、こんがらがりそうな気もする。

革命家としてのチェ・ゲバラを描いたものには『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳 別れの手紙』という映画もある。それを観ていないので、今さらだけど、観てみようと思う。

 

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